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私の愛するジャズ屋(その6)「ゴーケンズバー」

「海賊になった男」を探していたらこれが先に目に入ったので買ってきた。

いわゆる「太平洋戦争」のダイジェスト版(失礼!)で

日本の負け戦の経過が背景となっている。

その上に宮部久蔵と云うゼロ戦パイロットの人物像が描き出される。
良く調べ上げた末に書かれたストーリーの明快な小説だと思う。

しかし、私が衝撃を受けたかと云えばそうでもない。

 

 

居酒屋で時々見かける老人がいて、特攻の生き残りと云う噂だ。

体格が良く、顔色もいい。

静かで礼儀正しく矍鑠とした男ぶりは八十代後半には見えない。

ある日、居合わせた誰かがカラオケで軍歌を歌ったとき、

この老人の目から涙がこぼれているのを見た。

あの時の衝撃は忘れない。

 

この小説の最後の舞台は九州南端の鹿屋で、私には懐かしい地名だ。

 

本題に入ろう。(遅っ!)

一度だけだが鹿屋市を訪れ泊り、フェリーボートで長崎の方へ渡ったことがある。

その夜、「ゴーケンズバー」と云う二階の片隅にある小さなジャズ屋へ行った。

夜の八時頃だったがほとんど満席で、カウンターの隅にかろうじて座った。

店は常連さんばかりでにぎやかく、ごった返していた。

 

マスターはよそ者の私にいろいろ話しかけてくれた。

そこでトミーフラナガンの話になり、おススメのレコードをかけてくれた。

それはサイドマンとして名をはせた彼の、唯一のリーダーアルバムとのことだった。

トミフラが生きていた時分で、私もまだ若かった。